傳田さんは長野市のお生まれで、信州大学の工学部を出られた。後年、信州大学客員教授に就任(1998年4月)されたころから、いろいろご指導いただくことになった。特に、上田市の長野県工科短期大学校の半導体・実装技術研究会を主宰(1998年6月)されるようになってからは、よくお目にかかることになり、その運営のお手伝いもすることになった。長野実装フォーラムもその流れの中にある。
この研究会では、その時々の実装技術のトピックスを取り上げるほか、入門講座として「よくわかる実装技術講座」につながる講座も計画し、幅広い技術の普及と長野県の若い技術者の育成にも尽力された。入門講座は工科短大の教室を使うことも多く、熱心に聴講者と講師との議論が重ねられた。こういう機会の傳田さんと講師を交えた写真を写真-1(2000年)に添付する。
また、海外でも講演する機会があり、長野実装フォーラム理事の橋本さんもご一緒した。その講演後、橋本さんご夫妻も交えソウルで会食する機会もあった。楽しい思い出である。
これを写真-2(2004年)に示す。
傳田さんには多数のご著書もあり、それによって多くの方が勉強されたそうである。大変ありがたい教科書になったとの感想を、これは何人もの方から直接お聞きした。私も何冊も頂戴し、勉強させていただいた。いずれも取り上げた技術について懇切丁寧に解説がなされている。ある本には私も同席した時のトピックスも書かれており、傳田さんの受け止め方の感性が感じられ、楽しく読ませていただいた。
ご逝去は誠に残念である。数々の業績を残されたことに感謝するとともに、今後の日本の半導体及び半導体実装技術の発展のために、我々も努力しなければならないとの思いを深くしているところです。ご冥福をお祈りします。
若林信一
昭和50年(’75年)新光電気工業株式会社入社
平成10年(’98年)取締役 開発統轄部長
平成16年(’04年)取締役 コンポーネント事業部長(兼)韓国新光マイクロエレクトロニクス社長
平成20年(’08年)長野県テクノ財団 ナノテク・材料活用支援センター コーディネーター
平成21年(’09年)4月20日 新光電気工業退社
長野県テクノ財団 ナノテク・材料活用支援センター長
令和2年6月30日('20年)長野県テクノ財団を退職、名誉フェロー就任 現在にいたる。
令和4年3月(’22年)コネクテックジャパン株式会社 監査役、現在にいたる。
令和6年4月 公立長野大学理事、現在に至る。