私が傳田先生と初めてお会いしたのは1998年、エレクトロニクス実装学会で企画された「IMAPS視察団」だったと思います。当時私は42才、「世界最大の実装技術展示会と国際会議参加ツアー」と謳われた企画でした。
サンディエゴで3日間IMAPS1998に参加、その後ロサンゼルスに2泊して実装関連企業数社を視察するというものでした。団長が沖電気の(故)二瓶様で、サブが傳田先生、メンバーの中で一番若く?初めて海外に出張した私の事を気遣って良く面倒をみてくださいました。
その時の自分の英語力の無さと必要性を痛感していたところ、長野工科短大で「半導体・実装技術研究会」という集まりをやっていて、ちょうど「エンジニアのための英語力強化法」という勉強会があるので参加してはどうかというお誘いを頂いたのが、今の長野実装フォーラムとの関わりの最初でした。
その後、私が国際学会で発表したり、エレクトロニクス実装学会の理事に推薦していただいたりしたのは、傳田先生のお力添えあっての事で、今の私があるのも先生のおかげとと感謝しています。
その最初のIMAPSツアーの時のエピソードですが、ツアーの後半、ロサンゼルスに宿泊した時に傳田先生から食事に誘っていただきました。たいへん光栄なお誘いでしたが、実はその夜は東芝から同じツアーに参加されていた方とホテルの近くで開催されるというロサンゼルス・フィルハーモニーのコンサートに行く約束をしてしまっていました。チケットは当日販売でしたので食事を取るかロス・フィルのコンサートを取るか、迷った末に食事の方をご辞退させていただいたことがありました。気まずくなったかも?と、その後もずっと気になっていました。
それから10年以上過ぎたある時に「あの時、千野さんはコンサートに行ったんですよねー」と笑い話のように仰られたことがあって、申し訳ないことをしてしまったなと思いつつも先生がその事を覚えていてくださったことが、なんだか嬉しかったものです。傳田先生も音楽鑑賞が趣味だと仰っていたので、本場で本場の音楽を聞きたい気持ちは、ご理解いただいていたのでしょう。
傳田先生には大変お世話になり、感謝申し上げるとともに御冥福をお祈りいたします(祈)
写真は、1998年11月のMAPSツアーの時の写真です。
千野 満
1956 山梨県甲府市生まれ
1979 千葉大学工学部合成化学科卒業
1979 株式会社ミスズ工業入社
1996 ミノルタ初のコンパクトデジカメの共同開発(-1997)
1998 東芝との超薄型パッケージおよびPoP技術の共同開発(-2003)
2004 MEMSデバイスのための新規パッケージング技術の開発 NTTとの共同
2008 堀場製作所と化学センサ実装技術共同開発(NEDOー2010)
2010 立命館大客員研究員。MEMSによる真空度測定の研究 (-2011)
2012 ミスズ工業を早期定年退職、千野テクノリサーチ創業、現在に至る
【学会・委員会】
2007 エレクトロニクス実装学会(JIEP)理事(-2009)および展示委員会副委員長就任(-2011)
2007- 長野実装フォーラム理事就任
現在、千野テクノリサーチ代表、長野実装フォーラム理事